研究組織
計画研究A04
イネの栽培化と植物質食料資源の開発 ➡ 計画研究HP
・研究代表者:宇田津徹朗
本研究計画では、新石器時代における野生イネの利用から農耕社会の基盤となる本格的な水田稲作の確立に至る発展過程を、①「作物としてのイネの性質の変化」と、②「食料としてのイネの位置づけの変化」という2つの視点から解明します。
①については、現生のイネと遺跡から出土する植物遺体の形質や遺伝情報の比較分析、イネの細胞の微化石(プラント・オパール)の分析で明らかにしていきます。②については、新石器時代の各時期を代表する遺跡での水田の立地条件、規模と生産性についての調査分析(微地形分析、堆積相分析、プラント・オパール分析)、そしてイネ以外の主要な植物質食料の利用状況の調査(デンプン粒分析、石器の使用痕分析)によって解明していきます。調査は、浙江省湖西遺跡(上山文化)、田螺山遺跡(河姆渡文化)、良渚遺跡群(良渚文化)、上海市広富林遺跡(広富林文化)を中心として行う予定です。
これらの2つの調査分析と他の計画研究の成果を統合することによって、新石器時代における稲作と社会との関係性がより明らかになることが期待できます。
メンバーの役割分担は以下の通りです。
宇田津 徹朗 | (研究代表者) | : | 研究の統括、プラント・オパール分析 |
田崎 博之 | (研究分担者) | : | 微地形分析、堆積相分析 |
石川 隆二 | (研究分担者) | : | 現生と遺物のイネの形質比較 |
上條 信彦 | (研究分担者) | : | イモ類や堅果類等のデンプン粒分析、石器の使用痕分析 |
田中 克典 | (研究分担者) | : | 植物遺体の形質や遺伝分析 |
Dorian Fuller | (海外共同研究者) | : | 植物考古学の研究法開発 |